歴史を知る

歴史への敬意:伝統を現代の血肉とする

 優れたデザインは、決して無から生まれるものではありません。それは常に、先人たちが積み上げてきた膨大な経験と美意識の集積の上に立脚しています。ガーデンデザイナーにとって「歴史への敬意」を持つことは、自らのデザインに深みと正当性を与えるための必須条件です。

 日本の庭園史を紐解けば、『作庭記』や『築山庭造伝』といった古典には、現代でも通用する普遍的な真理が記されています。石を据える際の一致(気合わせ)、水を見立てる想像力、借景という空間の拡張技術。これらは単なる古い手法ではなく、日本の風土において人間が心地よく生きるための知恵の結晶です。歴史を知ることは、自分一人では到底たどり着けない「正解」へのアクセス権を得ることに他なりません。

また、西洋庭園の歴史も同様に重要です。イタリアのルネサンス様式、フランスの整形式庭園、そして英国の風景式庭園。それぞれの様式がどのような思想背景(宗教観や自然観)から生まれたのかを理解することで、単なる「イングリッシュガーデン風」といった表面的な模倣から脱却できるのです。様式の本質を知っていれば、日本の現代建築という異なる文脈においても、その精神を損なうことなく翻訳し、再構築することが可能になります。

 歴史への敬意とは、単なる懐古主義ではありません。伝統とは「火を守ること」であり、「灰を崇めること」ではありませんよう。先人たちの知恵を尊重しつつ、それを現代の技術やライフスタイルに合わせてアップデートしていく姿勢。その根底に敬意がなければ、デザインは独りよがりな奇抜さに陥り、時代の荒波に耐えうる強度を持つことはできません。古典を学び、歴史の縦糸を意識することで、デザイナーは初めて「時代を超える庭」を構想できるのです。

ガーデンデザイナー必携のガーデンの奥義 発売開始!

江戸のガーデンデザイナーバイブル「築山庭造伝」超訳
5坪を聖域に変える、江戸の魔法 庭に命を吹き込む ガーデンの奥義

推薦の言葉

「温故知新」の先に、真の日本の美学があります。

私たちが生きる二十一世紀の造園・外構デザインの現場は、高度な技術と多様な素材、そして効率的なデジタル設計に支えられています。

しかし、その一方で「庭の骨格」となるべき普遍的な理(ことわり)や、自然と対峙する際の「心の構え」を、私たちはどこかに置き忘れてはいないでしょうか。

日本ガーデンデザイナー協会が自信を持って推薦する現代のガーデンデザイナーのための石と花と水、庭に命を吹き込む 『築山庭造伝』 ガーデンの奥義は、江戸時代の名著を単に懐古するものではありません。

むしろ、情報が氾濫する現代だからこそ立ち戻るべき、庭造りの「原点」を指し示す羅針盤です。

本書に記された石の据え方、水の導き方、そして植栽の疎密に宿る思想は、数世紀にわたり日本の風土と日本人の美意識が磨き上げた「最適解」の集成です。それらは、現代のCAD図面の上に、生命力という名の血を通わせるための鍵となります。

「古書現代語復刻出版を推める会」の手によって、難解な古文書が息を呑むほど鮮やかな現代の知恵へと昇華されました。プロのデザイナーにとっては実務を支える深い洞察として、また庭を志す若き人々にとっては、先人からの熱いエールとして、本書が広く読み継がれることを切に願います。江戸の知恵を、現代の感性で編み直す。その先にこそ、次世代に誇れる「日本の庭」の未来があると確信しています。

本書は、付録として現代の都市の狭小地において築山庭造伝の奥義を取り入れた現代の庭へのアプローチも具体的に提案してくれています。より一層の現代の庭への楽しみを実現してくれているものと言えるでしょう。

『築山庭造伝』は、単なるマニュアル本ではありません。そこには、自然を凝縮し、限られた空間の中に宇宙を見出すための、驚くほど緻密で哲学的な設計思想が記されています。

* 真・行・草の使い分け:空間の格調を決定づける「型」の意識。

* 石の「意志」を読み解く:石を単なる資材ではなく、命あるものとして配置する感性。

* 景の連続性:一歩進むごとに変化する視界の計算(シークエンス)。

これらは、現代のランドスケープデザインやプライベートガーデンの設計においても、決して色あせることのない普遍的な「庭の奥義」です。

本書に込めた意義

残念ながら、原本は古文であり、現代の設計実務に携わる方々にとって、その門戸は必ずしも広くありませんでした。 そこで、本書は日本ガーデンデザイナー協会推薦、「古書現代語復刻出版を進める会」編として、この至宝を現代の言葉で、そして当時のパース図のビジュアル化で蘇らせることを試みたものです。

本書は、単なる古書の現代語訳に留まりません。江戸の職人たちが大切にしていた「自然への畏敬」と「遊び心」を抽出し、現代のデザイナーが直面する課題に対するヒントとして再構築しています。

庭を造るということは、そこに住まう人の心に寄り添い、風景を編むこと。

江戸の匠たちが残した「言葉の種」が、皆さまの手によって現代の地に美しい花を咲かせることを、編者一同切に願っております。

※出来るだけリアリティが出るように、私たちは原本に色をつけてみました。江戸の人々は自分で色を想像していたのでしょう。

 

 

 

NGDBOOK 協会員特典

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Amazonで販売中の書籍を出版元のKIS inc.と提携し、PDF形式でお得にご提供できることになりました。
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店番号 005
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漢字氏名  有限会社ケー・アイ・エス


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●私たちは、北斎にあったことがあります。
●続 私たちは、北斎にあったことがあります。
●江戸のガーデンデザイナーバイブル「築山庭造伝」超訳
5坪を聖域に変える、江戸の魔法
庭に命を吹き込む ガーデンの奥義
●ガーデンデザイン入門
●エクステリア&ガーデンデザイナーのための樹木スケッチ集(準備中)
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●Exterior & Garden カラーパース選集100

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